さんまずしに使う紀南地方の柑橘果汁はそれぞれ収穫期が異なるため、今回は熊野市新鹿特産「新姫（にいひめ）」を選びました。さんまには白板昆布を乗せ、昆布の風味をつけると同時にさんまの乾燥を抑えます。さんまずしを包む葉は、全体の味のまとまりを考慮して辛味のやや少ないからし菜を使用しました。さんまは柑橘の入った酢で締めることで、魚の臭みも抑えられ美味しくなります。はじめに柑橘の香りが口の中に広がり、後からからし菜漬けの風味が感じられます。さんまに乗せた昆布の出汁と甘く味付けした酢で全体のバランスを整えました。添えられた三重県紀宝町産のすだちの輪切りを絞れば、また違った酸味も楽しめます。